嗜癖と夢

一時、スタッフに嗜癖というものはどんなものかを知るように話した事があり、私もそうした本を
買い集めた事があった。嗜癖とは、あるものを特別に好む性癖のことを指し、アルコールや、覚醒
剤などを連用し、やめると精神的、身体的に異常が現れる依存状態を指すようだ。

また、万引きや、多重債務などもそうだろう。軽度のものであれば、必要もなくテレビを観たり、
味の濃い物を食べたり、お菓子を食べるのが止められない、片付けられない、寝坊をする、仕事で
上司への報告を忘れる、チェックを出来ない、身なりを綺麗に出来ないなども入るのだろう。仕事
依存のワーカホリックなども現在、深刻な問題となっているようだ。

これは精神的な病気なので、いわば風邪で熱があるのと同じである。怒っても、褒めても熱は下げ
られないのと同じで、本人が熱を出しているとはいうものの、自身のコントロールの及ばない領域
にあるので治すことは出来ない。愛情深い人間が抱きしめても、愛情で風邪が治らないのは、今や
常識であり、嗜癖に対しても同じ事がいえるのだと思う。本人が、完治させると決意し、真剣に一
歩一歩取り組んで、周りの協力を得ながら、着実にリハビリをして行くしかない。

しかし、今の日本には、嗜癖を誘う仕掛けがたくさんある。生半可な決意では挫折するだろうし、
まず何が嗜癖を誘っているのかも知る必要もあるだろう。

例えば、メディアが、何を学ばせたいのかも明確になく、思考する言語にはほど遠い言葉で、軽佻
浮薄な、バカ番組を垂れ流し、子供はそれにはまり、勉強することを無くす。殆どの番組は75歳禁
ぐらいにしても良いぐらいだろう。

幼稚園などでも、ポケモンを見た子供が、保育士が何を言おうと、ピッカ、ピッカと一日中、ピカ
チュウの真似しかしなくなることもあると聞いた。何事も程度の問題とコントロールが重要であり、
分別のある人間からの管理や保護が必要だが、親が既に病んでいる。

銀行はサラ金と手を組み、ひな壇式のカスケード事業を初め、住友銀行でお金が借りられなければ、
提携会社のアットローン、プロミスと利率の高いサラ金に落ちていく、街にパチンコ店や大学が出
来ればその周辺にサラ金のATMが、山のように増える。精神的にだらしのない人間からお金を吸い
尽くそうという考えだろう。

社会や企業側が全面的に悪い訳はない、勿論その人が悪い。しかしそうなのだが、日本の未来や世
界のことを大局的に捉えれば、酒を売るためにアルコール依存患者を作ったり、麻薬を売るために
麻薬依存患者を作るのは、ギャングの発想でありダークサイドでしかない。

女性の囚人にはレイプされた人間が多いと聞いた事があるが、どんなに悪いことや、不条理なこと
や、酷いことがあっても、真・善・美・愛を決して忘れていてはいけない。

親が家に帰り、会社の愚痴を言い、上司も夢を語らない。そんな状態が続けば、後に続く者が、仕
事に夢を無くし、仕事に着きたいとも思わず、ニートや、ネットカフェ難民マック難民となるだ
ろう。

どの企業も背に腹は変えられないという状況になれば、確実に役に立たない、甘えが強い人間から
クビにして行くことになる。国家が病み、企業が病み、家庭が病み、個人が病む、私の抱える問題
や、スタッフの問題。これが解決すれば、日本が変わり、世界が変わるワクチンを手にしたような
ものだ。人類の精神面の成長に需要だったといわれる歴史的に重要な個人であった、企業であった、
国家であったと胸を張れる生き様を残す。それが個々人の夢であればと思う。