68.「1:3:10」

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関東に11名のスタッフがいた頃、私は全員に教えようとした。モグリの医
者が11名を患者と見立て毎日いじくりまわすのだからたまったものではな
い。

ブースではなく開かれた空間で11名が営業電話を入れる、私の性格も加わ
り、電話のかけかたが気になり、いちいちストップ。それでもある程度の件
数の営業はできたが、スタッフも戸惑い前に進まない。

そこで至った考えがボスのいわれる「教えてはいけない」という考え方だ。

私の性分として失敗しないために必死で、スタッフも失敗しないためにと萎
縮する。しかし失敗無しなど不可能で、ある程度の失敗はつきものだ。

そこで試行錯誤のすえに、出先で周辺に電話をさせるようになり、回覧件数
は増加する。スタッフは得意先の対応によって自分で考える。社に戻ってへ
こんだスタッフを励ませばいいが、意外とそれも少ない。

失敗を無くす方法よりも、立ち直りかたを話す方が良い。自分で考えたこと
には数倍の価値がある。船井幸夫氏いわく、指示を得て行う仕事を1とした
場合、納得した仕事は1.6倍。自分で考えた仕事は1.6の二乗の2.5
倍の仕事になる。これが今や1:3:10となり、1と10の差は大きいと
語る。

またこんな話があった。毎日ひとりでホットドッグを売る屋台が、支払いの
やりとりに手を取られ、ホットドッグを作れずに困っていたが、お金を入れ
る缶を作り、客に払わせ客にお釣りを取らせるようにした。すると売り上げ
が数倍になる。もちろんなかにはズルをする客もいるだろうが、利益の方が
大きいので問題なしとなる。細かいことより大局をみる。私の性格調整は必
須であろう。