3.「試行錯誤」

受注が減ると色々と考え込む。自宅で就寝しようと消灯しても、気がつけば
窓から差す街灯りとも月明かりともつかない、ほの明るい中で一点を見つめ
て考えている場合もある。そうしたときは大抵自責の念にかられ、先行きの
不安なども入り交じる。不安といっても大した内容ではなく、殆ど自分のこ
とで、それが更に自責を誘う。

落ち着かないので再び灯りをつけ、今の心境にあいそうな10冊を順に紙袋
から取り出して、今落ち着くのはこれかこれかと読みあさる。この10冊は
日々変わり、常々会社と自宅を往復させて持ち運ぶ。しばらくして落ち着く
書籍を見付けるが、そのころには眠気が来る。しかしこうした日は大抵目覚
めも早い。

冬場なら湯船につかって身体を温めて出勤。夜も朝も湯船で本を読むが、こ
れがなかなかのリラクゼーションになっている。

早々と出勤したら今の心境を文でまとめる。これは人様に見せられるものな
のかどうかなどと考え、お蔵入りする場合も多く、数日後に読み返して修正
をして上司に送信することもある。

何かと試行錯誤をするが、結局営業をして仕事を取って来るしかないと考え
て早朝から営業リストを作る。電話営業を続けると、直接行く方がいいだろ
うと思い始め、アポ取りに時間がかかるとなれば、飛び込み営業とする。電
車代もバカにならぬと思い始めると近場にし、いやいや直接メーカーに行か
ねばと思い始めるとメーカーを重点に攻める。あの手この手だ。

自責も含め、色々考えるが、結局その間が一番学びになっている。雨は木々
が成長するために必要なものであり、だからこそ晴れた日にグングンと成長
することにもなる。