神の子と悪魔の子

神様が地球に神の子を送った。その子供は地球人の親の元に、赤ん坊として生まれ、すくすくと
育った。子供は大きくなり、こう言った。自分は神になり、全てのものを導くのです。

しかし両親は言った、あなたは人間の子だし、そんなことは出来ません。そして社会も駄目だ無
理だ馬鹿なやつだと接し、子供は夢を諦め、投げやりになった。

そこに悪魔の子が生まれた。悪魔の子は大きくなり、悪事を働いた。しかしこれで人間全てを滅
ぼしてやるには時間がかかる。そこで皆に笑顔で接し登り詰め、悪魔の子は世界の代表になった。

投げやりになった神の子は、社会を変えようと、世界の代表を連れ去り、必死に訴えた。夢を無
くすようなマイナスの言葉を社会が発し、子供らは夢を奪われる。もっと希望に満ちた、夢に満
ちた社会にしたい!すると代表は言った、それは素晴らしい、早速実行しよう。和解して戻った
代表は、こんな男が現れてはまずい、時間がない。そう感じ、世界に向けて一斉に核を放とうと
した。

しかし、よくよく考えると、全てを手にした今、なぜ人類を滅ぼす必要があるのかが分からなく
なった。

ましてや破壊すれば自分の命もなくなる。全てのものを手に入れ、嫌な人間はいつでも殺せる。
いつでも欲しいものが手に入る。だったらもっと面白いものを手にしたい。そう思った代表は、
訴えてきた男を側近においた。

すると世界の代表は心の広いかただと人類の信頼を更に強めた。

世界の代表は、訴えてきた男に全権をまかせようとしたが、訴えてきた男は、訴えては来たもの
の、夢を無くしており、情熱がなかった。そこで代表は自分の欲求の全てを教えた。訴えた男は、
今まで会ったことのないその存在に感動し、やがて夢をとり戻した。

しかし代表にも寿命が来た。そして眠りながら考えた。世界を掌握したが、破壊はいつでも出来
る。側近となった男も出来た。こいつが私の意志を引き継いでくれる。

世界の代表は、死ぬ間際に側近に伝えた。『人類は、やがて破滅する。』そう言い残して永眠し
た。

そして側近は世界の代表になった。『人類は、やがて破滅する。』その意味を考えながら、平和
な世界が続いた。

平和は続いたのだが、人類は環境を破壊し世界を破滅の方向へ導き始めた。

『人類は、やがて破滅する。』人類とはそういうものなのか・・・。すると、やがて人類を救う
ような人物が新たに現れた。しかし新たな世界の代表は、その人類を救うような存在が悪魔の子
であることを知った。

しかし、新たな世界の代表は、彼を受け入れた。彼は登り詰めやがて代表の側近になった。そし
て新たな世界の代表にも寿命が近づき、新たな側近を更に新たな代表を任命する際に言い残した。

『人類はやがて破滅する。』と・・・。