平凡にある為の努力

平凡が嫌だと嘆く人間は、平凡で居る為の努力を忘れ、冒
険心を失っているに違いない。かたや冒険心のある人間は、
険しい道程を平凡にしようと日々努力を続けている。

この平凡を維持する為には、人々の努力無くしては維持し
得ない。街を走る鉄道は決まった時間で運行し、美術館の
展示は決まった期間で開催される。フードショップにも、
ヘアサロンにも同様に当たり前であるための努力がある。

全てが初めは冒険だったろう。そもそもは全てが険しい道
程、それを先人が当たり前の状態を作り、維持してきた。
自分自身が上手く行かない事があり嘆くよりも、そもそも、
この世に手放しで上手く行くようなものは、存在しなかっ
た事を知る事だ。

世の中にはそもそもプールなどないし、プールから上がる
はしごなどあったわけがない。全ては先人が我々の為に考
え出した智恵の産物だ。理解が出来たなら、はしごから手
を放し、塩っ辛い海に出て、未来の宇宙に整った何かを残
してやろうではないか。